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ロマリンダのジョセフ・カン先生と光機能化で連携

ロサンジェルスで行われた村辺先生主催のCTGスタディグループ補綴ぺリオコースで、講演させていただいたおり、ロマリンダのジョセフ・カン先生と対談。来年の米国でリリースにむけて、光機能化で密に連携していくことで合意。

光機能化、ヨーロッパシラバスにて世界初に違いをもたらすサーフェスとして認定

最近、光機能化のレビュー論文が出て以来、EUから問い合わせが増えています。写真のように、ドイツ、スイス、オーストリアの国家教育要綱(シラバス)に光機能化が掲載されています。これまでのサーフェス技術については、酸処理、サンドブラスト、陽極酸化、ナノなど、とそれぞれの名称が列挙されていますが、明らかな効果や優劣などについてはほぼ語られていません。光機能化については、細胞の反応、材料の物理化学的変化、ビボの効果まで詳しく掲載されています。つまり、表面技術として初めてちがいをもたらすものであることが、公式に認められ、教育指針に明記されました。

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光機能化オステルISQ値 論文掲載

小川隆広, 船登彰芳, 山田将博, 高瀬一馬, 西村正宏, 村田比呂司, 萩原芳幸

光機能化による骨結合スピードの大幅な増加とインプラント安定度評価のパラダイムシフト. ザ・クインテッセンス 2012;31:1519-26.

 

金沢市なぎさ歯科、東京歯科大学、長崎大学、日本大学との共同の研究で、168本の光機能化インプラントのオステルISQ値の推移を見た研究がパブリッシュされました。光機能化インプラントは、1月あたりの骨結合スピードが、従来法のインプラントと比較して、3倍から30倍以上という画期的な結果が導かれました。

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JOMIにインプラントの生物学的老化と光機能化の総説論文掲載

Att W, Ogawa T. Biological aging of implant surfaces and their restoration with ultraviolet light treatment: a novel understanding of osseointegration. The International journal of oral & maxillofacial implants 2012;27:753-61.

 

世界の臨床家にむけて、いよいよ以下のメッセージが発信されました。「インプラントは時間経過とともに骨結合能力が低下し、これを生物学老化と定義する。これによって、通常のインプラントでは、個々の製品の能力に差が生じている可能性、さらに現状のインプラントでは本来の能力が発揮されていない可能性が高いと示唆された。その対処法として、光機能化が位置づけられ、飛躍的に骨結合能力を増加させることができる。光機能化によって得られた非常に高い骨結合を超骨結合と定義する」

 

以下、論文抄録の和訳

 

タイトル

インプラントの生物学的老化とその回復法としての紫外線による光機能化:骨結合に関するまったく新規の理解の提言

 

抄録

インプラントの表面形状や物理化学的性状は骨結合の過程に影響を及ぼすと言われている。インプラント表面の生物学的能力は、製造後、常に安定で、時間経過ともに変化しないと思われてきた。しかし、最近の研究で、インプラントの能力は、経時的に変化し、有意な減少に至ることが明らかにされた。新しいチタン面(作成直後)と比較して、作成後4週経過したチタン面は、骨内で同様の強さの骨結合を得るのに、2倍の治癒期間を要する。新鮮チタン面の骨インプラント接触率は90%に達するのに対して、4週経過チタンの骨インプラント接触率は60%に留まる。ビトロにおいては、4週経過チタン面の細胞を引きつける能力、細胞を付着させ、増殖させる能力は、新鮮面の20-50%のレベルにまで低下する。一方で、紫外線領域の最適な光で処理されたチタンインプラント面は、とても高い生物活性、骨伝導能をもつことが発見された。光処理を施したインプラント周囲の骨形成様式は特別で、光機能化されていなインプラントと比較して、骨との接着強度の達成スピードを4倍加速し、骨インプラント接触率は近似100%にまで達する。これらの効果をもたらす光処理は「光機能化」と定義され、光機能化されたチタン面の能力は、すべての指標において、新鮮なチタン面をも上回った。以上より、光機能化は、時間経過に伴うチタンの能力の低下を回復させ、さらに新鮮チタン面をも超える能力を付与させることを可能にすることが示された。本総説論文は、チタンインプラントの生物学老化とそれに対する克服法としての光機能化の発見を論じ、同時に骨結合に対するまったく新規の理解を提唱する。インプラント分野の治療と科学において、全く新しい展開を及ぼすという点において、即、注目に値するものである。

 

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